教育功労者表彰

※「教育功労者」の推薦に当たっては、下記バナーより用紙をダウンロードし、当財団に送付願います。

設立の趣旨

故杉村久吉先生は、1920年以来3年有余、旭川市立日章小学校に勤務されました。杉村先生は、子どもたちのためにそれはそれは全身全霊を捧げ尽くされた優れた教師でありました。とりわけ、その勉強嫌いな腕白な子どもたちを見捨てずにそのよさを引き出し深い愛情で包み、心血を注ぎ、一人一人を大切に育てました。その中の一人に元北海道大学教授で退官された井上弘少年がいました。
 井上少年は、貧しい家庭に育ち、日々の生活に大変困窮する有様でした。しかもそれまでは、学校でなかなか認めてもらえることがありませんでした。
 しかし、ある日の作文の授業の時、自分の作品が取り上げられ、その作文力の素晴らしさが認められ、先生から大いなる励ましを受けました。それから、少年は、自分の力に自信を持ち、渾身の力を絞って全力で勉強に集中するようになりました。しかし、時には健康に苦しめられ、また、経済的に苦学をしながらも、くじけずその持てる能力を存分発揮するようになりました。
 やがて難関の北海道大学に進学し、卒業後、同大学の助手、助教授を経て、教授として多くの論文を発表、理学博士として世界的に高い評価を挙げました。定年となった折り、多額の退職金を拠出され、杉村先生の恩に報いるためご自身の名前を控え、恩師杉村先生の冠を付けた奨学財団を設立、母校日章小学校同窓会と連携し、経済的に困窮する学生の支援に乗り出しました。
 従って、本事業の表彰の趣旨は、我々のごく身近に杉村先生のように世に隠れた善意と誠意に満ち、教育愛に燃えた先生が数多くいらっしゃいます。そして、この井上少年が育った「旭川市並びに北海道」の発展に寄与した優れた教師を掘り起こすことになります。長年に亘り、ご苦労されておられる先生方を顕彰いたしたく本制度を設けましたことをご理解賜りたく存じます。

公益財団法人 杉村先生記念奨学財団教育功労者表彰規程

 この規程は、当財団の定款に基づき下記の通り規定する。
第2章 目的及び事業(定款)
 (目的)第3条 この法人は、故杉村久吉先生の遺徳を敬慕する旭川市立日章小学校の卒業生によって設立し、教育愛に燃えた先生の精神を継承して、国家及び社会に有為な人材の育成に必要な事業を行い、もって本道の発展に寄与することを目的とする。
 (事業)第4条 この法人は、第3条の目的を達成するために、北海道の区域内において次の事業を行う。
 (1)次の学校の生徒に対して奨学金を貸与すること。
     次の学校のア~オ (省略)
 (2)奨学生の指導及び支援を行う。
 (3)故杉村久吉先生の遺徳を顕彰すること。
 (4)教育に功労のあった者の表彰を行うこと。
 (5)その他、この法人の目的を達成するために必要な事業。

〈細則〉
 定款第4条(4)「教育に功労のあった者の表彰を行うこと。」に基づき細則を設けることとする。
〈教育功労者表彰規程細則〉
(1)杉村先生の如き世に隠れた善意と誠意に満ちた教育愛に燃え、旭川市並びに北海道の発展に寄与した優秀な教師並びに教育関係者であること。
 ①顕著な教育実践の実績のあること。
  ア 教科指導並びに生徒指導
  イ 学校経営
  ウ 社会教育
  エ 特別支援教育その他
 ②教育振興に顕著に貢献したこと。
 ③永年に亘り、教育に携わり地道に実践し、社会的に認められていること。
(2)2以上の項目を満たし、当財団理事会で承認されること。
(3)選考に当たっては特別委員会を設置し、出席者の4分の3以上の合意を得ること。
(4)特別委員会は理事並びに評議員及び外部委員で構成される。
(5)特別委員会の委員の4分の3以上の出席者で成立する。
(6)個別選考に当たっては、直接の利害関係を排除する。